脳トレが認知症予防に効果的な理由とは?専門医が教える「脳の貯金」の作り方
🌸 「脳トレって、本当に認知症の予防になるの?」
こんにちは。北九州市小倉北区の「まこと脳神経外科クリニック」です。
最近ではスマホアプリやドリルなど、さまざまな「脳トレ」が溢れています。当院の患者様やご家族からも、「毎日計算ドリルをしていますが、効果はありますか?」というご質問をよくいただきます。
結論から申し上げますと、適切な脳トレは認知症の予防や進行を遅らせるために、非常に有効な手段の一つです。今回は、なぜ脳トレが脳に良い影響を与えるのか、その医学的な理由を解説します。
■ 理由1:脳の「予備能力(貯金)」を増やす
私たちの脳には、一部の神経細胞がダメージを受けても、他の細胞がそれを補おうとする「認知予備能(にんちよびのう)」という力が備わっています。
脳トレによって新しい刺激を脳に与え続けることは、いわば**「脳の貯金」**を増やす作業です。この蓄えが多ければ多いほど、将来的に脳の機能が低下し始めたとしても、症状が出るのを遅らせることができると考えられています。
■ 理由2:神経細胞の「ネットワーク」を繋ぎ直す
脳の神経細胞は、使わないと少しずつ萎縮してしまいます。しかし、新しいことに挑戦したり、集中して考えたりすることで、細胞同士の繋がり(シナプス)が強化されます。
これを「神経可塑性(しんけいかそせい)」と呼びます。脳トレは、いわば脳の筋トレ。眠っていた神経ネットワークを呼び覚まし、情報の伝達をスムーズにする効果があります。
■ 理由3:前頭葉を刺激して「実行機能」を保つ
多くの脳トレで使われる「計算」「記憶」「判断」といった機能は、脳の司令塔である「前頭葉(ぜんとうよう)」を激しく刺激します。
前頭葉が活発に働くことで、計画を立てる、感情をコントロールする、複数のことを同時にこなすといった、日常生活に欠かせない「実行機能」の維持に繋がります。
📺 【実践】今日から始める脳トレ動画
「何から始めたらいいか分からない」という方のために、ご自宅で座ったまま取り組めるおすすめのトレーニング動画をご紹介します。まずは1日5分から、楽しみながら挑戦してみましょう!
1Brin Fit
様々な脳トレや指運動、運転免許の試験問題まで動画にあり、脳トレにはおすすめのチャンネルです。
2.知の種 デイサービスから生まれた認知症予防ch
間違い探しを中心とした脳トレ動画です。なかなかやりごたえがあり、おすすめです。
3.社会医療法人全仁会倉敷平成病院
目で見てやる脳トレも大事ですが、運動もかなりの脳トレです、こちらのチャンネルでは体操などが挙げられており、運動による脳トレも試してみましょう。
■ 脳トレの効果を最大化する「3つのポイント」
せっかく取り組むなら、より効果的な方法で行いましょう。
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「少し難しい」と感じるものを選ぶ:簡単にスラスラ解けるものより、少し頭をひねるくらいが脳を活性化させます。
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毎日短時間でも「継続」する:一度に長時間やるよりも、1日5分〜10分を毎日続ける方が脳に定着します。
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「楽しむ」ことを忘れない:イヤイヤやるストレスは逆効果です。ゲーム感覚で笑いながら取り組むのがベストです。
■ 最後に:不安な時は「脳の健康診断」を
脳トレは素晴らしい習慣ですが、「最近、急に物忘れが増えた」「以前できていた脳トレが難しくなった」と感じる場合は、一度専門的な検査を受けておくことも大切です。
当院では、映像付きMRIを活用して、脳の今の状態を詳しくお調べしています。気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談くださいね。
