頭痛の悩み
頭痛とは
「頭痛」とは疾患の名前ではなく、さまざまな原因で起こる頭の痛みを指した症状です。よく頭痛は病気ではないと、市販薬などでその場をしのいでいる方もいらっしゃいますが、当クリニックでは頭痛は立派な病気であると考え、しっかりと検査、診断をした上で治療を行っています。
一口に頭痛といっても、原因や症状もさまざまです。なかなか治らない頭痛にお悩みの方はぜひ当クリニックに気軽にご相談ください。
頭痛にはこんな症状があります
- 頭が割れるようにズキズキと痛む
- こめかみのあたりが締め付けられるように痛む
- 何かで殴れたような激しい痛みが急に起こる
- 頭が重く、ボーッとする
- 目の奥がギューッと痛む
- 頭の片側に強い痛みがある
- 頻繁に頭痛が起こり、鎮痛剤が手放せない
頭痛の分類
頭痛の原因は非常に多くあり、一般的な頭痛から緊急性のある頭痛までさまざまです。どのような頭痛があるのかその分類を解説します。
1. 一般的(慢性的)な頭痛(一次性頭痛)
緊張型頭痛
一般的な頭痛の中でも最も頻度の高い頭痛で、ギューッと頭が締め付けられるような痛みが特徴です。動けないほどの激しい頭痛であることは稀ですが、頭痛が数時間から数日間続くこともあります。頭痛だけでなく、首や肩のコリや痛み、めまいなどを伴うこともあります。
緊張型頭痛の原因は身体的、精神的ストレスによって起こる肩や首の筋肉の緊張です。スマートフォンやパソコンの使用や車の運転、軽作業など、頭を前に傾けた状態の姿勢が長時間続くと、頭を支えている首や肩の筋肉が緊張した状態が続き、筋肉の血流が悪くなってしまうのです。また、不安、緊張など精神的なストレスも筋肉の緊張を招き、緊張型頭痛の原因となります。
年齢を問わず発症することがあり、最近ではスマートフォンの普及によって、若年層でも緊張型頭痛が見られることがあります。生活習慣などを改善しないでいると、慢性化しやすい頭痛でもあります。
片頭痛
ズキンズキンと脈打つような痛みが特徴で、多くの場合、痛みは頭の片側に見られます(両側に起こることもあります)。頭痛の持続時間は長く、数時間から2,3日続くこともあり、痛みがひどくなると、吐き気を催すこともあります。体を動かすと悪化したり、光や音の匂いなどの刺激で悪化したりする場合もあります。片頭痛は一度きりではなく、繰り返し起こるため、仕事や家事など日常生活に支障をきたすこともあります。
片頭痛はMRI検査では脳に異常がみつからず、どのような仕組みで起こるのかはまだはっきりと解明されていません。現在のところは何らかの原因で脳の血管が収縮し、血管の周囲の神経が刺激されることで、痛みを伴う物質が出されるのではと考えられています。
20代から40代の女性に多く見られ、女性ホルモンの「エストロゲン」が片頭痛の引き金になることがわかっています。その他にも、「ストレス」「睡眠不足」「天候の変化」「光」「音」「匂い」「空腹」などが頭痛を誘発する因子として挙げられています。
群発頭痛
左右どちらかのこめかみや目の周辺に起こる激しい痛みが特徴で、「片目をえぐられるような痛み」と表現されることもあります。片側の目の奥の痛みだけでなく、同じ側に涙や鼻水の症状が出ることもあります。頭痛の持続時間は30分から3時間程度ですが、一度痛みが発症すると、毎日同じくらいの時間に繰り返し発生することが多く、数週間から数ヶ月症状が続くこともあります。中には一年以上頭痛が繰り返される「慢性群発頭痛」と呼ばれるタイプの人もいます。
痛みは前触れもなく突然起こり、夜間に発生すると、痛みのために目が覚めてしまうこともあります。頭痛の中では発症頻度は少なく、主に20代から30代の男性に多く見られます。原因ははっきりとわかっていませんが、MRI検査などで脳の疾患を除外することが必要です。
薬剤の使用過多による頭痛
頭痛を抑えるための鎮痛剤を使いすぎることで引き起こされる頭痛です。薬剤の使用過多による頭痛は、市販薬でも処方薬でも起こり得ます。
原因は、痛みに対する不安から鎮痛剤を使いすぎてしまい、薬の効果が弱くなってしまうことです。頭痛が起こる前から薬を飲んだり、頭痛が無いのに漠然と薬を使用したりすることで起こります。
「鎮痛剤を月に10日以上使用している」「鎮痛剤がなかなか効かない」といった方は、薬剤の使用過多になっている可能性があります。市販の鎮痛剤を頻繁に長期間使用することは危険ですので、頭痛が続く場合は医師の診断を仰ぐことが大切です。
2. 頭(脳)の疾患が原因の頭痛(二次性頭痛)
原因が脳にある頭痛で、突然起こる激しい頭痛である場合がほとんどです。「今まで経験したことが無いような痛み」「頭が割れるような痛み」と表現されることもあります。
二次性頭痛は頭痛だけでなく、以下のような症状も伴うことがあります。
- 手足が動かしにくい
- ろれつが回らない
- 手足の感覚がおかしい(力が入らないなど)
二次性頭痛を起こす可能性がある脳の疾患
- クモ膜下出血
- 脳動脈解離(のうどうみゃくかいり)
- 脳腫瘍
- 脳梗塞
3. その他の頭痛
低髄液圧症候群
交通事故やスポーツにおいて頭や首などに強い衝撃が加わったとき、脳や脊髄を満たしている髄液に漏れが生じ、頭痛などの症状を起こす場合があります。低髄液圧症候群の頭痛は頭を寝かせた状態から起こしたとき(立位)に発生するのが特徴で、横になると軽快することが多いとされています。頭痛や頭重感の他にも、めまい、ふらつき、耳鳴りなどの症状がみられることがあります。
慢性硬膜下血腫
高齢者に多くみられる頭痛で、打撲などの外傷が発生した1~2ヶ月後くらいに、脳の硬膜と脳との間に血腫(血の塊)ができる病気です。血腫が脳を圧迫することが原因で、頭痛だけでなく軽度の意識障害、半身の麻痺などの症状が出現することがあります。
頭痛の治療について
投薬治療
一般的な頭痛(一次性頭痛)の治療は、主に痛みをコントロールするための投薬治療が中心となります。当クリニックでは頭痛の程度や頻度などを詳細に問診して、一人ひとりに合わせた治療を行っていきます。市販の鎮痛剤で効果がみられなかった方もぜひご相談ください。
生活指導
慢性化している頭痛は、睡眠不足やストレスなど、生活習慣の乱れなどが影響している場合も多々あります。また仕事や学校などのストレスで精神的な問題から頭痛を起こしている場合もあります。当院では、まずはしっかりとした問診で頭痛を悪化させる原因が何かを見極め、必要に応じて生活習慣の改善についても指導しています。
頭痛でお悩みの方は早めの受診を
「頭痛が起きたら市販の鎮痛剤を使う」という人は多いかもしれませんが、頭痛には色々な種類があり、中には鎮痛剤の使用過多が頭痛をさらに悪化させる場合もあることを知っておきましょう。「頭痛がたびたび起こって不安だ」「頭痛に悩んでいる」という方は、自己判断せずに医師の診断を受けることが大切です。
当クリニックの頭痛外来での治療は、「一人ひとりに合わせたテーラーメイドの治療」です。投薬治療や生活習慣の改善なども含めて、総合的にあなたの頭痛の悩みに寄り添っていきますので、安心してご相談ください。