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もの忘れの悩み

もの忘れでお悩みの方に

日常生活の中で起こる「もの忘れ」。その多くは加齢によるもので、大きな心配のいらないものですが、中には認知症やその前段階である軽度認知障害によって、もの忘れの症状が出ることがあります。

もの忘れが気になりだすと、「自分は認知症なのではないか」と不安になる方も多いかと思います。当クリニックの物忘れ外来では、認知症を専門に診ている医師があなたのもの忘れについて正確に判断して原因を診断します。もの忘れに関するお悩みがある方は、お気軽に当クリニック「物忘れ外来」にご相談ください。

CHECK! 「もの忘れ」にはこんな症状があります

  • もの忘れが気になりだした
  • 体験したことの一部が思い出せない
  • 買い物したことを忘れ、同じものを買ってしまう
  • 日時などを思い出しにくい
  • ものを置いた場所が思い出せない
  • 昨日食べたものが思い出せない
  • 会話の途中で言葉が思い出せないことがある

加齢によるもの忘れと認知症の見分け方

もの忘れは、年令を重ねることで自然と増えてきます。以下は、もの忘れが加齢によるものか、認知症によるものかを見分ける目安です。

 

老化によるもの忘れ

認知症によるもの忘れ

原因

脳の老化

脳の病気(神経細胞の変性など)

もの忘れの特徴

体験したことの一部を忘れ、ヒントなどがあれば、後から思い出せる

体験したことを全部忘れ、後から思い出すことができない

もの忘れに対する自覚

あり

なし

症状の進行

すぐには進行しない

だんだんと進行する

日常生活への支障

大きな支障はない

支障が出る

これらは、一つの目安ですので、正確な診断ではありません。気になる点がある方は、早めにもの忘れ外来を受診して、医師に相談することをおすすめします。

軽度認知障害とは

認知症にはその前段階である「軽度認知障害」という病態があります。軽度の記憶障害が見られますが、本人は物忘れの自覚があり、日常生活には大きな支障がないか、あっても軽度の状態を指します。軽度認知障害のうち、約10~15%が認知症へ移行すると言われています。

もの忘れの分類

1. 認知症によるもの
認知症の種類

認知症には色々な種類があります。代表的な認知症を紹介します。

アルツハイマー型認知症

日本で認知症と診断される方のうち、半数以上を占めるのが「アルツハイマー型認知症」です。原因は脳にアミロイドβというタンパク質が蓄積することで起こると考えられており、蓄積ととに脳の変性が進んでいきます。症状の進行は比較的緩やかで、数年単位で症状が進むことが多い病気です。当初は記憶障害や見当識(日付や場所)の障害などから始まることが多く、進行とともに妄想、徘徊などの行動症状も出てきます。進行性の病気のためできるだけ早期から進行を遅らせる治療を行っていく必要があります。

レビー小体型認知症

脳内に「レビー小体」とよばれるタンパク質が蓄積することが原因で発症するとされています。記憶障害や注意障害、前頭葉機能障害などの認知機能低下が症状としてみられますが、アルツハイマー型認知症に比べると認知機能の変動がみられることがあり、いい時、悪い時の波がでる場合もあります。記憶障害以外には、症状として幻視が起こりやすく、夜間睡眠時に奇声や奇行などを起こすレム睡眠行動障害などもみられることがあります。また、手足の震えや小刻み歩行などのパーキンソン病症状も、多くみられることがあります。アルツハイマー型認知症と比較すると症状の進行が比較的早いため、早期の発見、治療が必要です。

血管性認知症

脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血などが原因で脳組織が破壊されることで発生する認知症です。「アルツハイマー型認知症」に次いでよくみられるタイプの認知症です。認知機能障害は血管障害が起こった部位により、「手足のマヒ」「言語障害」「前頭葉機能障害」「失認」などさまざまな症状を伴います。脳血管障害が起こるたびに、認知機能が段階的に低下していくのが特徴です。高血圧や、糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病が血管性認知症の危険因子として挙げられています。

前頭側頭型認知症

脳の一部(前頭葉や側頭葉)が変性することで発生する認知症です。思考や理性、感情、言語、判断などを司る前頭葉や側頭葉を中心に萎縮が起こるため、「毎日同じ行動を繰り返す」「行動の抑制が効かなくなる」「自発性の低下」といった症状が出現します。高齢になって盗みをしたり、交通違反を繰り返したりと社会的な常識がおかしくなったりする症状が出ることもあります。記憶などの認知機能は当初は比較的保たれており、行動障害が全面に出現するのが特徴です。他の認知症と比較的すると発症の年齢が低く、40代から60代の方に多い病気です。本人に全く病気の自覚がない場合もことが多く、家族がおかしな行動やちょっとした性格の異変で気付くことも多い病気です。

2. その他の疾患が原因のもの忘れ

もの忘れは「うつ」「外傷による慢性硬膜下血腫」「甲状腺機能低下」といった病気の症状として起こることもあります。これらの疾患が原因のもの忘れは、治療によってもの忘れの症状が改善していく場合もあります。

3. 老化によるもの

もの忘れは、身体の生理的な老化よっても少しずつ出てきます。老化によるもの忘れは、誰しもに起こりうるもので、急激に進行することもありません。

もの忘れの診断・治療について

問診

もの忘れの原因を正しく診断するためには、詳細な問診が欠かせません。患者様の生活歴、既往歴、もの忘れの症状の出方や頻度などについて、しっかりとお話をお聞きして診断をしていきます。

検査
MRI検査

もの忘れの診断には、脳の状態を把握するためにMRI検査を行います。当院のMRI検査では、認知症の診断のためのVSRAD(診断支援システム)を用い、正確な診断に役立てています。

脳血流検査

物忘れの正確な診断のために行われる検査です。特殊な検査のため総合病院などの専門機関にて検査を行います。

認知機能検査
  1. HDS-R 長谷川式スケール

国内で認知機能検査として最も広く行われている検査で、「年齢」「今日の日付」「数字の計算」「数字の逆唱」「3つの異なる単語の記憶」など、9つの項目について質問形式で検査をします。検査の合計点によって、認知機能の低下がどの程度進んでいるのかを調べます。

  1. MMSE(Mini-Mental State Examination)ミニメンタルステート検査

世界で最も多く使われている認知症の検査方法で「今日は何日ですか」「ここは都道府県でいうと何ですか」といった質問形式の検査に加えて、口頭指示や文章作成、図形模写など、全部で11の質問から構成されています。

  1. MOCA-J (日本語版Montreal Cognitive Assessment)

数字や文字を目で追う「視空間・遂行機能」「動物の名前」「単語の記憶」「数字の暗唱」「文章の復唱」などをテストします。軽度認知障害の判定にも使われます。

  1. CDR (Clinical Dementia Rating)臨床認知症評価尺度

認知症と診断された場合に、その重症度を評価するための検査です。認知機能や趣味、関心、介護状況などについて、診察および家族、介護者からの情報をもとに判定します。

  1. ADAS(Alzheimer's Disease Assessment Scale)アルツハイマー病評価スケール

主に認知症と診断された人の認知機能について評価するための検査で、「単語の再生」「記憶力」「構成能力」など評価します。

もの忘れの治療

もの忘れの中の原因が認知症と診断された場合には、以下のような治療が行われます。

投薬治療

認知症の種類によって、一人ひとりに合わせた投薬治療が行われます。当クリニックでは投薬治療については規定の量を漫然と投与するのではなく、それぞれにあった最適な投薬量を判断して治療を行います。

生活指導・介護支援

認知症は生活に支障をきたす場合も多く、ご家族の協力のもと、生活上の注意点などについても指導を行っていきます。また、介護申請から介護の方法まで、ご家族の介護の悩みなどについても相談にのっております。

リハビリ

認知症の治療には、運動や注意機能向上を目的としたリハビリも効果的です。当クリニックでは、積極的に認知症のリハビリ訓練も行っております。

社会交流

認知症が進んでいくと、家にこもりがちになり、徐々に社会との接点が少なくなっていく患者様も多くおられます。デイサービスなどの介護資源サービスを利用して積極的に人と交流することで、認知機能の低下をゆるやかにしていくことが期待できます。

もの忘れや認知症でお悩みのご家族へ

認知症については、患者様本人には症状の自覚がない場合も多く、ご家族が指摘をしてもご本人が認めないというケースもあります。当クリニックでは、ご家族が異変に気付かれた場合などは、ご家族の方のご相談にも対応しております。

また、認知症と診断された場合は、患者様はもちろん、ご家族のご協力も不可欠です。当クリニックでは、ご家族のケアについても、最後まで親身になって行います。もの忘れ、認知症について少しでも気になることがある方は、遠慮せず当院にご相談ください。

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